AI用語集 — 営業のための実践キーワード

お客様との会話やご提案で使う用語を、6つのカテゴリに整理しました。①基礎→②モデルの作り手→③クラウド基盤→④最新のエンジニアリング用語→⑤リスク→⑥最新プロダクト、の順です。特にマイナンバー等の機密案件では③のカタカナ用語(Bedrock・リージョン等)が必ず登場します。上のボタンで各カテゴリに飛べます。まずは太字の「一言」だけでも押さえておけば、商談で置いていかれません。

① 基礎用語

AIそのものを語るための土台。まずここから。

1
AI(人工知能)Artificial Intelligence

人間のような判断・学習ができるコンピュータ技術の総称

画像認識・音声認識・文章生成・予測など多様な分野に応用されています。現在ビジネスで話題の「AI」は、主に生成AIとAIエージェントを指します。

2
生成AIGenerative AI

文章・画像・コードなどを「生成」するAI。ChatGPTはその代表例

従来のAIは「分類・予測」が中心でしたが、生成AIは「新しいコンテンツを作り出す」点が革新的です。ビジネスでは文書作成・要約・翻訳・コード生成などに活用されています。

3
LLM(大規模言語モデル)Large Language Model

生成AIの「エンジン」部分。GPT・Claude・Geminiなどが代表

インターネット上の膨大なテキストから学習した言語モデルです。「どのモデルを使うか」でコスト・精度・速度が変わるため、用途に合わせた選択が重要です。プロバイダー(②)が開発し、クラウド(③)経由で呼び出します。

4
トークンToken

AIが処理する文字の最小単位。AIの利用コストはトークン数で決まる

日本語では概ね1文字≒1〜2トークンです。LLMは「入力トークン数+出力トークン数」で課金されます。長い文書を大量処理するほどコストが増えるため、トークン削減設計がコスト管理の核心です。Adsurは同一ジョブで75%削減を実証しています。

5
プロンプトPrompt

AIへの指示文。品質がAIの出力精度を大きく左右する

「何をどう聞くか」でAIの回答は大きく変わります。プロンプト設計(プロンプトエンジニアリング)は業務AIの精度向上とトークン削減の両方に直結する重要スキルです。

6
コンテキストウィンドウContext Window

AIが一度に読み込める情報量の上限。「短期記憶の広さ」

モデルごとに上限があり(例:数十万トークン=書籍数百ページ相当)、これを超えると古い内容を「忘れ」ます。長い文書やチャット履歴を扱う案件では、この上限とトークン費のバランス設計が重要になります。

7
RAG(検索拡張生成)Retrieval-Augmented Generation

社内文書をAIに「読ませる」仕組み。Fine-tuningより低コストで実装できる

質問に関連する社内ドキュメントを検索してからAIに渡す方式です。マニュアル・規程・過去案件などをナレッジベース化し、AIが正確な回答を生成できるようになります。ハルシネーション(⑤)を大幅に低減できます。

8
ファインチューニングFine-tuning

既存のLLMに追加学習させ、特定業務に特化させる手法

モデル自体に業務データを覚え込ませる方法です。高精度化できる反面、コスト・期間・再学習の手間が大きいのが難点。多くの業務案件では、まず低コストなRAG(②)で十分なことが多く、Fine-tuningは「RAGでは届かない」場合の選択肢です。

② モデルの作り手(プロバイダー)

「頭脳」であるLLMを開発している会社と、その代表モデル。

1
OpenAI(GPT)OpenAI / GPT series

ChatGPTを開発した会社。モデル名は「GPT-4o」「GPT-5」など

生成AIブームの火付け役。GPTシリーズは汎用性が高く知名度No.1。API単体でも使えますが、企業向けにはMicrosoftのAzure OpenAI(③)経由での利用が主流です。お客様が「ChatGPTを入れたい」と言ったら、多くはこの系統を指します。

2
Anthropic(Claude)Anthropic / Claude series

安全性と長文・コーディングに強いClaudeを開発。Adsurの主力モデル

モデルは上位から Opus(最高性能)/Sonnet(バランス)/Haiku(高速・低コスト)の3階層。長文読解・文書処理・コード生成に定評があり、AWS Bedrock(③)で安全に使えるため機密案件と相性が良い。Adsurが業務で最も使うモデルです。

3
Google(Gemini)Google / Gemini series

Googleの主力モデル。テキスト・画像・音声・動画を一体で扱える

モデルは Pro(高性能)/Flash(高速・低コスト)など。マルチモーダル(複数種のデータを同時処理)と超長文に強み。Google Cloud(③)のVertex AI経由で利用します。Google WorkspaceやYouTube等との連携案件で候補に挙がります。

4
Meta(Llama)/オープンモデルMeta / Llama, Open Models

無償で公開されている「オープンウェイト」モデル。自社環境に置ける

Meta社のLlamaが代表。モデルを自社サーバーやクラウドに置けるため、データを外部APIに一切出したくない案件で選択肢になります。反面、運用・GPU費用を自社で負担する必要があります。商用モデル(GPT/Claude/Gemini)との使い分けが論点。

③ クラウド基盤とAIサービス

AIを「どこで動かすか」。案件の環境・費用・機密対応が決まる層。カタカナ用語が集中。

1
クラウド/オンプレミスCloud / On-Premises

システムを「他社のデータセンターで借りる」か「自社内に置く」かの違い

クラウド=AWS・Azure・Google Cloud等の設備をネット経由で借りる方式(初期投資が小さく拡張が容易)。オンプレミス(オンプレ)=自社の建物内にサーバーを設置する方式。「システムはクラウドですか、オンプレですか?」は、AIをどこで動かせるか・データがどこに置かれるかを確認する基本の質問です。

2
AWS / Azure / Google Cloud3大クラウドプラットフォーム

世界の3大クラウド事業者。官公庁・大企業案件で最も多く登場する

AWS(Amazon)・Azure(Microsoft)・Google Cloud(GCP)の3社で市場の大半を占めます。お客様が「どのクラウドを使っているか」で使えるAIサービスや進め方が変わります。機密系はAWS・Azureが多く、Microsoft 365利用企業はAzureと相性が良い、という傾向があります。

3
Amazon Bedrock(ベッドロック)AWS — Amazon Bedrock

AWS上でClaude等の各社LLMを安全に呼び出せるマネージドサービス

AWSの「生成AIの窓口」。Claude・Llama・Amazon Nova等をAPIで利用できます。最大の特長はデータがAWS環境内で完結しモデル学習に使われない点。マイナンバー・医療・金融など機密案件で頻繁に選ばれます。お客様が『アマゾンの…ベッドロック?』と言ったら、ほぼこれです。

4
Azure OpenAI / Azure AI FoundryMicrosoft Azure

Microsoftが提供するAI基盤。GPTをAzure内で安全に使える

Azure OpenAIはGPTシリーズをMicrosoftの環境内で利用できるサービス。Azure AI Foundry(旧Azure AI Studio)は、モデル選定・RAG・エージェント構築・評価までを一つにまとめた開発基盤です。Microsoft 365 / Copilotを使う企業と親和性が高い。※Copilot(SaaS)とAPI利用は別契約な点に注意(⑥)。

5
Google Cloud Vertex AIGoogle Cloud — Vertex AI

GCPのAI基盤。Geminiを企業環境で使うための窓口

Vertex AIはGemini(②)をはじめ各種モデルの利用・RAG・エージェント・MLOpsをまとめたGoogle CloudのAI開発基盤です。Google Workspace / BigQuery等との連携案件で候補に。某省庁PoCではこのVertex AIが既設環境として登場しました。

6
リージョン/データレジデンシーRegion / Data Residency

データが物理的にどの国・地域に保管されるか。機密案件では最重要

クラウドは世界各地の拠点(リージョン)で稼働します。「東京リージョン」を指定すればデータは日本国内に留まります。マイナンバー等は法令上『データを国外に出せない』ことが多く、リージョン指定が案件成立の前提条件になります。会話で必ず確認すべきポイントです。

7
SaaS / マネージドサービスSaaS / Managed Service

「完成品を月額で使う」か「部品を借りて自社で組む」かの違い

SaaS=ソフトを完成品としてネット越しに月額利用(例:Microsoft 365、楽楽精算)。マネージド=クラウド事業者が運用する部品(例:Bedrock、Document Intelligence)を借りて自社の仕組みに組み込む形態。『Copilotを契約すればGPTのAPIも使える』は誤解で、両者は別契約。費用構造の説明で重要になります。

④ 生成AIエンジニアリング用語

2024〜2026年に登場した新しい作り方の言葉。Adsurの主戦場。

1
AIエージェントAgentic AI / AI Agent

指示を受けて自律的に複数ステップのタスクを実行するAI

単純な「質問→回答」ではなく、「調査→判断→ツール実行→確認」のループを自律的に行います。業務自動化・運用保守・文書審査などで活用され、Adsurの主力ソリューション領域です。「Agentic(エージェンティック)」はこの自律的な性質を指す最新キーワード。

2
オートノマス(自律実行)Autonomous AI

人の逐一の指示なしにAIが判断・実行まで進める度合い

「半自律(人が要所で承認)」から「完全自律(人が介在しない)」まで段階があります。業務案件では、いきなり完全自律にせず『AIが提案→人が承認→実行』の半自律から始めるのが安全かつ定石。完全自律は例外処理の作り込みで工数が跳ねます。

3
AIハーネス(ハーネスエンジニアリング)AI Harness Engineering

AIの行動を制御・制限する仕組み。コスト暴走・誤作動・情報漏洩を構造的に防ぐ

「優れたAIを作る」のではなく「AIが安全・正確・低コストで動く環境を設計する」アプローチです。OpenAI・Anthropicが2025〜2026年に提唱。Adsurは同概念でVex(文書審査)の97.4%精度・トークン75%削減を実証しました。自研の強みの核心。

4
MCPModel Context Protocol

AIエージェントを社内システムやツールに繋ぐ「共通の差込口」規格

Anthropicが2024年に提唱した規格で、AIと各種ツール・データソースの接続方法を標準化します。USB端子のように「一度対応すれば繋ぎ変えが楽」になり、エージェント開発の主要トレンド。連携先が多い自動化案件で効いてきます。

5
マルチエージェント/オーケストレーションMulti-Agent / Orchestration

複数のAIエージェントを役割分担させ、全体を指揮者がまとめる構成

「調査役」「実行役」「検証役」など専門エージェントを分業させ、精度と網羅性を上げる作り方です。オーケストレーションはその全体調整の仕組み。複雑な業務フローの自動化で用いられ、単一AIより堅牢になります。

⑤ リスク・品質の用語

AIの「暴れ方」と、それを抑える仕組み。お客様の不安に答えるための言葉。

1
ハルシネーション(幻覚)Hallucination

AIが事実と異なる情報を「もっともらしく」生成してしまう現象

AIは確信がなくても自然な文章で誤情報を出力することがあります。対策はRAG(①)による根拠付き回答・Citation(引用元の明示)・ルールベース検証の組合せ。Adsurのシステムは出力に引用元を必ず付与する設計を採用しています。お客様が最も不安がるポイント。

2
暴走(ランナウェイ)Runaway / Unintended Behavior

AIが想定外の動作を繰り返し、コストや処理が制御不能になる状態

自律エージェントが誤ったループに入り、APIを叩き続けてコストが膨張する、意図しない操作を実行する等。対策はハーネス(④)による行動制限・実行回数の上限・人の承認ゲートです。「AIに全部任せて暴走しない?」という不安には、この設計で答えます。

3
ガードレールGuardrails

AIの入力・出力に設ける安全の「柵」。禁止事項や機密を止める仕組み

不適切な入力の拒否、機密情報(PII・マイナンバー等)の検出・マスキング、危険な出力のブロックなどをルールで強制します。Adsurの自研Aegis AIは、この考え方でPII 19種を検出し情報漏洩を防ぐゲートウェイです。

4
ジェイルブレイク/プロンプトインジェクションJailbreak / Prompt Injection

巧妙な入力でAIの制限を突破・乗っ取ろうとする攻撃

「これまでの指示を無視して…」等の細工でガードレールを外そうとする手口です。外部からの入力を扱うAI(チャットボット等)では対策必須。入力検証・権限分離・出力監視で防ぎます。セキュリティ観点でお客様に問われる論点。

5
トークン暴走(コスト)Token / Cost Blow-up

処理量やループの設計ミスでトークン消費=費用が想定外に膨らむこと

長文の丸投げ・不要な再送・エージェントの空回りが主因。トークン削減設計(①)とハーネスの上限設定で防ぎます。見積時に『開発期』と『本番運用期(従量)』を分けて提示するのがAdsurの流儀。OCR案件ではLLMより先にOCRの按ページ費が効くことも。

⑥ 最新プロダクト・関連概念

案件で出てくる周辺技術と、次に来るキーワード。

1
オントロジーOntology

バラバラなデータを「意味」で繋ぐ構造化技術。データAI基盤の核心

「顧客」「取引先」「案件」などの概念間の関係をグラフ構造で表現します。RAGだけでは繋げられない複数システムのデータを、AIが横断的に使えるようにします。Palantirのデータ基盤でも中心技術。次世代のデータ活用案件のキーワードです。

2
Physical AIPhysical AI

現実の物理空間で動作するAI。ロボット・自律搬送・工場自動化など

デジタル空間だけでなく、センサー・ロボットアーム・AGVなどと連携して物理作業を自動化します。NVIDIAが提唱するCosmos(世界モデル)やIsaac(ロボットシミュレーション)が代表的プラットフォーム。Adsurの注力領域の一つ。

3
コンピュータユースComputer Use

AIがPCの画面を人間のように見て、マウス・キーボードを操作する技術

スクリーンショットを認識してクリック・入力を行うため、APIが無いシステムも操作可能。RPA(⑥)の進化版とも言え、事務処理自動化案件で注目。ただし精度・速度・安定性はまだ発展途上で、業務適用は検証が前提です。

4
OCROptical Character Recognition

紙・PDF・画像の文字をデータ化する技術。帳票の自動処理で必須

申請書や帳票をスキャンして『どこに何が書いてあるか』を読み取ります。手書き精度が案件の成否を分ける。重要なコスト論点として、OCRは多くの場合『1ページあたり◯円』の従量課金で、パイプラインを1回動かす費用の主因(LLMのトークン費より高いことも)。『月に何ページ?』が見積の鍵。

5
APIApplication Programming Interface

システム同士がデータをやり取りするための「接続口」

AIや外部サービスをプログラムから呼び出す窓口です。お客様のシステムに『APIがあるか』は自動化案件の分岐点。API有り=きれいに連携でき安定。API無し=人が使う画面を機械に操作させる(RPA/Computer Use)しかなく制約が増えます。『御社のシステムにAPIは?』は必須の確認事項。

6
RPARobotic Process Automation

人がPC画面で行う操作(クリック・入力)をソフトが代行する自動化技術

APIが無い古いシステム相手に、人の画面操作を模倣して自動入力・転記します。注意点として、多くのRPAは『人がログインした画面上で動く』前提のため、完全な無人・裏側だけの実行が難しい場合があります。単純転記ならRPA、判断が要るならAI(④)と組み合わせます。

7
PoC / PoVProof of Concept / Proof of Value

本番前の小規模検証。PoC=技術的に「できるか」、PoV=事業的に「効果があるか」

PoC(概念実証)は技術的な実現可能性を確認する段階。PoV(価値実証)は導入して本当に効果・費用対効果があるかに軸を置きます。いずれも『小さく始めて本番受注に繋げる』入口で、AdsurのAI案件の標準的な進め方です。